未成年者に確定申告は必要?

収入がある場合、未成年者でも所得税等を納付する必要があるのでしょうか?

本記事では、未成年者の確定申告について解説していきます。

未成年者でも確定申告は必要

未成年者とは、18歳未満の人を言います(民法4条)。
では、未成年者でも、収入があれば確定申告は必要なのでしょうか?

結論:年齢に関わらず、一定の収入があれば、確定申告は必要です。

実は、所得税の申告には、年齢による制限はありません。
そのため、未成年者であっても、一定の収入があれば、確定申告は必要となります。

確定申告が必要なケース

確定申告が必要になる主なケースは、以下となります。

(給与所得がある方)

  • 給与の収入金額が2,000万円を超える
  • 給与(源泉徴収あり)を1ヶ所から受けていて、かつ他の所得が20万円を超える
  • 給与を2ヶ所から受けていて、かつ年末調整をしなかった給与所得と他の所得の合計額が20万円を超える

(事業所得や雑所得がある方)

  • 所得を計算した結果、納税額が発生する

一般的に、未成年者の所得控除は、基礎控除の48万円のみです。
そのため、事業所得等が48万円を超えると、確定申告が必要となります。

勤労学生控除

勤労学生である場合、勤労学生控除(27万円)が適用できます。

勤労学生とは、以下3つの要件をすべて満たす人です。

  • 給与所得などの勤労による所得がある
  • 合計所得金額が75万円以下で、かつ他の所得が10万円以下である
  • 特定の学校の学生、生徒である

合計所得金額が75万円以下とは、給与所得の場合、収入金額が130万円以下であれば要件を満たします。

未成年者の確定申告は、親が代理で出来る

親には、子の財産に関する法律行為について、代表する義務があります。
代表とは、実質的には、代理(法定代理)を意味します。

民法
(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。

そのため、未成年者の確定申告は、親が代理で申告しても問題ありません。

納税は、親が代理ですることが出来ない

税金は、未成年者本人の財産から納付する必要があります。
そのため、親の財産から納付すると、贈与税の対象となります。

贈与税は、基礎控除額である110万円を差し引いた残額に税率を乗じて計算します。
贈与税が発生すると、別途、申告が必要になるため、ご注意ください。

まとめ

今回は、未成年者の確定申告について見てきました。
未成年者であっても、一定の収入があれば、確定申告は必要となります。
収入が発生した場合、まずは、確定申告の要否について検討しましょう。

この記事を書いた人

髙谷 武司

同志社大学卒業後、有限責任監査法人トーマツやハウス食品株式会社、IPO準備企業などを経て、2021年に髙谷公認会計士・税理士事務所を開設しました。

会計や税務はもちろん、経営の相談までできる会計事務所として、皆様のサポートをしております。