ICOCAやSuicaへのチャージ代は経費にできる?計上のタイミングや仕訳を解説
本記事では、ICOCAやSuicaへのチャージ代について、経費計上のタイミングや仕訳を解説していきます。
ICOCAやSuicaへのチャージ代は経費にならない?
ICOCAやSuicaへのチャージ代は、経費になるのでしょうか?
- 原則:経費にならない
- 例外:条件次第で経費にできる
原則として、経費にならない
ICOCAやSuicaへのチャージは、現金から電子マネーへの移転にすぎません。
(例)現金5千円をICOCAへチャージした
項目 | チャージ前 | チャージ後 |
現金 | 10,000 | 5,000 |
電子マネー | 0 | 5,000 |
資産合計 | 10,000 | 10,000 |
このように、資産は減少していないため、原則として、経費にはなりません。
例外として、経費にできる
実務上、以下の条件であれば、チャージ代を経費に計上しています。
- 業務用のICOCAやSuicaである
- 交通費以外には使用しない
- チャージ時の領収書を保管している
- 利用履歴を保管している
ICOCAやSuicaは、交通費だけでなく、ショッピングなどにも使用できます。
そのため、業務用かつ交通費にしか使わない運用をすることで、チャージ時の経費計上が可能となります。
ICOCAやSuicaの仕訳
ここでは、以下の取引について仕訳を見ていきます。
- 新規作成
- チャージ
- 利用
- 期末
原則的な取り扱い
チャージ時ではなく、利用時に経費計上する場合の仕訳です。
新規作成
新規作成時に支払うデポジットは、ICOCAやSuicaを返却したときに返金されるため、預け金として処理します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
預け金 | 500 | 現金 | 2,000 |
仮払金 | 1,500 |
チャージ
ICOCAやSuicaへのチャージは、現金から電子マネーへの移転なので、仮払金として処理します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仮払金 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
利用
ICOCAやSuicaを利用してはじめて、経費として計上できます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
旅費交通費 | 2,500 | 仮払金 | 2,500 |
期末
期末では、ICOCAやSuicaの残額(仮払金)を貯蔵品へ振り替えます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貯蔵品 | 4,000 | 仮払金 | 4,000 |
例外的な取り扱い
チャージ時に経費として計上する場合の仕訳です。
新規作成
新規作成時に支払うデポジット以外は、経費として計上します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
預け金 | 500 | 現金 | 2,000 |
旅費交通費 | 1,500 |
チャージ
ICOCAやSuicaへのチャージ時点で、経費として計上します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
旅費交通費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
利用
チャージ時点で経費として計上しているため、仕訳はありません。
期末
期末では、ICOCAやSuicaの残額を貯蔵品へ振り替えます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貯蔵品 | 4,000 | 旅費交通費 | 4,000 |
まとめ
今回は、ICOCAやSuicaへのチャージ代について、経費計上のタイミングや仕訳を見てきました。
チャージ代を経費に計上する場合は、ICOCAやSuicaの運用方法がポイントになります。
この記事を書いた人
髙谷 武司
同志社大学卒業後、有限責任監査法人トーマツやハウス食品株式会社、IPO準備企業などを経て、2021年に髙谷公認会計士・税理士事務所を開設しました。
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