最終仕入原価法とは?具体例で詳しく解説します
期末は、棚卸資産を評価する(金額を確定させる)必要があります。
本記事では、棚卸資産の法定評価方法である最終仕入原価法について解説していきます。
この記事を書いた人

髙谷 武司
同志社大学卒業後、有限責任監査法人トーマツやハウス食品株式会社、IPO準備企業などを経て、2021年に髙谷公認会計士・税理士事務所を開設しました。
会計や税務はもちろん、経営の相談までできる会計事務所として、皆様のサポートをしております。
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棚卸資産の評価方法
棚卸資産の評価は、数量に単価を乗じて計算します。
このうち、数量は、実地棚卸を通じて確定させます。
では、単価はどのように確定させるのでしょうか?
単価の計算方法には、以下の方法があります。
(棚卸資産の評価方法)
- 原価法
- 個別法
- 先入先出法
- 総平均法
- 移動平均法
- 最終仕入原価法(法定評価方法)
- 売価還元法
- 低価法
- その他特別な評価方法
上記のうち、原価法の最終仕入原価法が法定評価方法となっています(法人税法施行令第31条)。
最終仕入原価法とは?
最終仕入原価法とは、期末に最も近い仕入単価を使用する評価方法です。
法人税法施行令
(棚卸資産の評価の方法)
第28条の1
ホ 最終仕入原価法(期末棚卸資産をその種類等の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、当該事業年度終了の時から最も近い時において取得をしたものの一単位当たりの取得価額をその一単位当たりの取得価額とする方法をいう。)
計算の具体例
以下、具体例を見ていきます。
仕入日付 | 仕入数量 | 仕入単価 | 仕入金額 |
---|---|---|---|
4月10日 | 100 | 50 | 5,000 |
5月25日 | 20 | 40 | 800 |
9月20日 | 80 | 60 | 4,800 |
期末 | 200 | 60 | 12,000 |
上記の場合、期末に最も近い仕入単価は「60円」です。
そのため、棚卸資産の評価は、200個に60円を乗じた12,000円となります。
なお、実際の購入金額(11,600円)との差額(400円)は、売上原価のマイナスとなります。
まとめ
今回は、棚卸資産の法定評価方法である最終仕入原価法について見てきました。
棚卸資産の評価方法は複数ありますが、ほとんどの場合が最終仕入原価法だと思われます。
そのため、実務上は、この最終仕入原価法を理解すれば事足りるでしょう。